いまさら聞けないTWICEのトリセツ|代表曲・9人の個性・ライブから紐解く、その魅力と10年の軌跡
編集・執筆:常川 啓介
両手の親指と人差し指で泣き顔をつくる「TTポーズ」。2017年、日本中を巻き込んだこのポーズをきっかけに、TWICEを知った人は多いだろう。
一方、現在のTWICEへの入口はそれだけではない。ミナ、サナ、モモによるユニット・MISAMOから興味を持った人、メンバーそれぞれのソロ活動やファッションを通して知った人、SNSやストリーミングで「The Feels」「What is Love?」「FANCY」などに出会った人もいる。TWICEに抱くイメージは、世代や触れた時期によって少しずつ異なるはずだ。
これほど多彩な接点から親しまれている一方で、数々のヒット曲と9人の個性、世界規模のライブ、そして10年間の変化を一つにつないだ全体像まで語られる機会は、意外と多くない。
TWICEは、ナヨン、ジョンヨン、モモ、サナ、ジヒョ、ミナ、ダヒョン、チェヨン、ツウィからなる9人組ガールズグループ。2015年の韓国デビュー以来、数々のヒット曲を送り出し、日本でもドームやスタジアム公演など規模を拡大して次々に成功を収めてきた。さらに、アメリカのアルバムチャート「Billboard 200」で首位に輝き、北米でのスタジアム公演や世界最大級の音楽フェスへの出演を果たすなど、世界を代表するポップグループへと成長している。
韓国デビュー10周年を経た2026年8月26日(水)には、ベストアルバム『TWICE BEST ALBUM「#BEST 2015-2025」』をリリースする。初期の代表曲から現在のTWICEを映し出す楽曲まで、その歩みと変化を一度にたどることができる作品だ。
TWICEは、どのようにして時代を象徴するグループとなり、なぜ今も新しいファンを惹きつけ続けているのか。本稿では、代表曲、9人の個性、ライブ、ファンとの関係など、彼女たちの魅力を形作る5つの要素から紐解いていく。
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1. TWICEとは|耳残りよく、思わず真似したくなる曲——社会現象を生んだ9人
TWICEは、JYP Entertainmentによるオーディション番組『SIXTEEN』を経て、2015年10月に韓国でデビューした。韓国出身のナヨン、ジョンヨン、ジヒョ、ダヒョン、チェヨン、日本出身のモモ、サナ、ミナ、台湾出身のツウィという、多国籍の9人で構成されている。
グループ名には、「いい音楽で一度、素晴らしいパフォーマンスでもう一度魅了する」という意味が込められている。その名の通り、TWICEの音楽は楽曲だけで完結しない。歌、ダンス、表情、衣装、ミュージックビデオまでが一体となり、一曲ごとに鮮やかな世界を作り上げてきた。
デビュー当時から彼女たちを特徴づけていたのが、明るいメロディとさまざまなジャンルを組み合わせた「カラー・ポップ」と、ひと目で覚えられるポイントダンスである。
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「TT」の泣き顔を表したポーズ、「CHEER UP」のサナによる「シャシャシャ (shy shy shy)」というフレーズ、「SIGNAL」のアンテナを表現した振り付け、「What is Love?」の疑問符を描くようなダンス。どれも難しい説明を必要とせず、数秒見れば意味が伝わる強さを持っている。
TWICEの独自性は、高度に作り込まれたK-POPの音楽とパフォーマンスを、誰もが楽しめる親しみやすい形で広く届けたことにある。口ずさみたくなる短いフレーズ、ひと目で意味が伝わるポーズ、友人と一緒に真似できる振り付け。完成された9人をただ眺めるだけでなく、聴いた人が自分の日常に取り込み、誰かと共有したくなる仕掛けが一曲ごとに用意されていた。
「TT」の泣き顔ポーズや「CHEER UP」の「シャシャシャ」が大きな広がりを見せたのも、楽曲そのものの強さに加え、それぞれの楽しみ方を受け入れる間口の広さがあったからだ。TWICEは、見る人と音楽の距離を自然に縮め、国や言語を越えて共有できるポップスを作り上げた。
一人ひとりの声がはっきりと異なることも大きい。明るく抜ける声、芯のある中低音、柔らかな歌声、力強い高音、リズミカルなラップ。それぞれの声が短い間隔で入れ替わりながら、一つのサビへと集まっていく。9人の声を一曲の中で印象的に配置し、人数の多さそのものを音楽の華やかさへと結びつけたことも、TWICEならではの強みだ。
2017年には日本デビューを果たし、同年から3年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場。2019年には、韓国でデビューしたガールズグループとして初の日本ドームツアーを開催し、2023年には日本でのスタジアム公演4日間で約22万人を動員した。
“親しみやすく真似しやすい” ヒット曲を生み出す力と、大規模な会場を熱狂させるパフォーマンス、9人それぞれの声と個性。それらが一体となって届くことで、TWICEは世代や国境を越え、多くの人の記憶と日常に深く根づいていった。
2. 代表曲でたどる10年|サウンドと歌詞に見る、TWICEの変化
TWICEは、デビュー当初から大切にしてきた明るさと親しみやすさを軸に、年齢や経験を重ねるごとに、楽曲に宿る感情やサウンドの幅を広げてきた。みずみずしい恋心から、自信、葛藤、友情、支え合う喜びまで。新たな表情を加えながら、TWICEらしいポップスを更新してきた10年である。
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デビュー曲「Like OOH-AHH」は、ポップス、ロック、ヒップホップを組み合わせた躍動感のある一曲。ゾンビが登場するユーモラスなミュージックビデオと、9人のキャラクターが次々に飛び出す構成によって、TWICEの名刺代わりとなった。
続く「CHEER UP」で人気は一気に加速する。曲調や歌い方が目まぐるしく変化する展開の中で、それぞれの声と表情が強く印象に残る。サナの「シャシャシャ (shy shy shy)」は楽曲を飛び出して社会現象となり、同曲は韓国の主要音楽賞で年間最優秀楽曲に選ばれた。
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「TT」は、悲しさを表す顔文字「T_T」を振り付けに落とし込んだ発想が秀逸だ。切なさを含んだメロディと愛らしいパフォーマンスが共存し、日本でも「TTポーズ」が大流行。世界を広く巻き込んでトレンドを生み、TWICEの名前を広く浸透させた。
「What is Love?」では、まだ知らない恋への憧れを、映画の名場面を思わせるミュージックビデオとともに表現。「Dance The Night Away」では南国の開放感をまとったサマーポップスを届け、「LIKEY」ではSNS上の “いいね” を求める気持ちと、その裏側にある努力や不安を明るいサウンドの中に忍ばせた。
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こうした初期の代表曲は、単にかわいらしいだけではない。日常の中にある期待や不安、恋心を短いフレーズと印象的な動きへ変え、多くの人が共有できるポップスとして届けていた。
「FANCY」「Feel Special」で深まった表現
2019年の「FANCY」は、TWICEの大きな転換点として語られる一曲だ。きらびやかなシンセサウンドと大胆なビートを取り入れ、恋心を受け身ではなく、自分から率直に伝える姿を描いた。華やかさを残しながら、衣装、歌声、ダンスのすべてに大人びた自信が加わっている。
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同年に発表された「Feel Special」では、その変化をさらに深いものにした。華やかなサウンドの内側で歌われるのは、孤独を感じる瞬間と、誰かの言葉によって自分の価値を取り戻していく物語だ。J.Y. Parkがメンバーとの会話をもとに歌詞を書いたことでも知られ、TWICE自身が抱えていた重圧や、メンバー同士で支え合ってきた経験が重ねられている。
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「Feel Special」が特別なのは、TWICEの持ち味である明るさを手放したのではなく、笑顔を取り戻すまでの心の動きを丁寧に描いたことだ。その奥行きによって、TWICEの音楽はより多くの人の人生に寄り添えるものになった。
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「I CAN’T STOP ME」では、1980年代を思わせるシンセウェーブと疾走感のあるビートを採用。欲望と理性の間で揺れる感情を、張り詰めた歌声と精密なダンスで表現した。「Alcohol-Free」ではボサノヴァを思わせる軽やかなリズムに挑戦し、夏の高揚感を力ではなく余裕で伝えている。
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ファンから根強く支持される「CRY FOR ME」も欠かせない。愛と憎しみが入り交じる感情をドラマチックに描いた楽曲で、授賞式で初披露されて大きな反響を呼び、その後デジタルシングルとして正式配信された。メンバーの挑戦をファンが受け止め、その反応が次の展開へつながった象徴的な一曲である。
「The Feels」から広がった世界
2021年の「The Feels」は、TWICE初の英語オリジナルシングル。ディスコを取り入れた弾むようなビートと、「FANCY」以降に身につけた自信を組み合わせ、英語になっても一聴してTWICEだとわかる楽曲に仕上げた。同曲はTWICEにとって初の米Billboard Hot 100入りを果たし、世界へ大きく踏み出すきっかけとなった。
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その後も「MOONLIGHT SUNRISE」「SET ME FREE」「I GOT YOU」「Strategy」などを通して、英語圏のポップスやR&Bと自然に接続。2024年には『With YOU-th』が米Billboard 200で初登場1位を記録し、世界各地に支持が広がっていることを改めて証明した。
なかでも「I GOT YOU」は、荒れる海を進む船を9人の関係に重ね、どんな状況でもそばにいるという信頼を描いた楽曲だ。活動の舞台を世界へ広げた現在も、TWICEの中心には、誰かと支え合うことで生まれる強さがある。
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「Strategy」では、ポップとR&Bを軸に、相手を振り向かせる自信を軽やかに表現。2025年にはNetflix映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』にも使用され、ジョンヨン、ジヒョ、チェヨンが歌唱した「TAKEDOWN(TWICE Version)」とともに、世界中の映画ファンがTWICEと出会う新たなきっかけとなった。
日本市場への独自アプローチ|オリジナル楽曲で広げたTWICEの表現
TWICEの日本展開は、韓国で生まれたヒット曲を日本語でも届けることと、日本独自の作品を継続的に発表することの二つの軸で進んできた。
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2017年の日本デビュー作『#TWICE』には、「Like OOH-AHH」「CHEER UP」「TT」「KNOCK KNOCK」「SIGNAL」の韓国語版と日本語版をそれぞれ収録。同じ楽曲を二つの言語で楽しめる構成は、その後の『#TWICE』シリーズへ受け継がれ、今回の『#BEST 2015-2025』にもつながっている。
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その一方で、日本デビューと同じ年に日本オリジナルの1stシングル「One More Time」を発表し、続く「Candy Pop」ではカラフルで親しみやすい世界を展開。日本1stアルバムの表題曲「BDZ」では、壁を力強く乗り越えていく姿を打ち出した。
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以降も、日本オリジナル楽曲は9人の成長とともに表情を変えてきた。「Breakthrough」ではクールな自信を、「Perfect World」では揺るがない強さを表現。「Doughnut」では冬の情景に溶け込む繊細な歌声を聴かせ、日本デビュー5周年を記念した「Celebrate」では、ファンと歩んできた時間への感謝を伝えた。「Hare Hare」は、スタジアムを晴れやかな一体感で包むライブでお馴染みの一曲として親しまれている。
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さらに、日本オリジナルアルバムの制作も継続し、2024年には『DIVE』、2025年には『ENEMY』をリリース。『ENEMY』ではジヒョが楽曲、ビジュアル、ミュージックビデオのディレクションに参加し、日本作品の中でもメンバー自身の意思をより深く反映させている。
日本語バージョンは、世界で親しまれてきた代表曲と日本のリスナーをつなぎ、日本オリジナル楽曲は、日本で迎えた節目とその時々の9人の姿を映してきた。この二つの流れが重なることで、TWICEは日本でも独自の音楽史を築き、活動の広がりに合わせて多彩な表現を届け続けている。
3. 9人9色のメンバー|一人ひとりの個性が広げるTWICEの魅力
9人という人数は、初めて見る人にとって少し多く感じられるかもしれない。しかし、顔立ちはもちろん、声、ダンス、振る舞いまで、一人ひとりの輪郭は驚くほど異なる。
誰か一人に惹かれて見始めても、やがて9人の関係性そのものを好きになっていく。その入口の多さも、TWICEの大きな強みだ。
NAYEON(ナヨン)
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明るく伸びる歌声と、視線を引き寄せる表情でTWICEの中心を担う最年長メンバー。曲の冒頭やサビに華やかさを添える力があり、ソロ曲「POP!」では、その魅力を凝縮した王道のポップスター像を見せた。一方、「ABCD」では力強い歌唱とダンスを前面に押し出し、表現の幅をさらに広げている。
JEONGYEON(ジョンヨン)
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芯のある中低音によって、TWICEの楽曲に安定感と厚みを与えるボーカリスト。高音や甘い声が重なる中で、ジョンヨンのまっすぐな歌声が入ると曲の輪郭が引き締まる。飾らないユーモアと仲間思いの振る舞いも愛されており、「TAKEDOWN」では力強い声の魅力を改めて世界へ届けた。
MOMO(モモ)
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細部まで正確でありながら、音楽のグルーヴを全身で伝えるダンサー。「MORE & MORE」のダンスブレイクをはじめ、難度の高い場面ほど存在感を放つ。低く個性的な声も楽曲のアクセントとなっており、ミナ、サナとのユニット・MISAMOでは、より洗練された表現を見せている。
SANA(サナ)
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「CHEER UP」の「シャシャシャ (shy shy shy)」を社会現象へと押し上げた、天性の表現力を持つメンバー。愛らしい声や表情に加え、歌詞の響きやリズムを身体で捉える感覚にも優れている。ライブやバラエティでは高いコミュニケーション力を発揮し、観客との距離を自然に縮めていく。
JIHYO(ジヒョ)
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力強く伸びる歌声と全身からあふれるエネルギーで、グループを牽引するリーダー。高音でも声の芯が失われず、会場が大きくなるほど、その熱量が際立つ。ソロ作品『ZONE』では、歌唱力だけでなく、自らステージ全体を背負うパフォーマーとしての強さを証明した。
MINA(ミナ)
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バレエ経験を生かした美しい身体のラインと、繊細で柔らかな歌声が持ち味。大きな動きで押し切るのではなく、指先や視線まで整えた表現によって、楽曲に静かな余韻を与える。MISAMOではその優雅さとクールなムードがより鮮明になり、新たな魅力を引き出している。
DAHYUN(ダヒョン)
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軽やかなラップと、周囲の空気を瞬時に明るくするユーモアを持つムードメーカー。バラエティで見せる機転の速さだけでなく、ピアノ演奏や作詞でも才能を発揮してきた。「When We Were Kids」などの歌詞を手掛け、TWICEがともに歩んできた時間や成長を言葉にしている。
CHAEYOUNG(チェヨン)
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小気味よく言葉を刻むラップと、枠に収まらない感性を持つクリエイター。作詞、作曲、イラスト、ファッションなど、多方面で自分の美意識を表現してきた。ソロアルバム『LIL FANTASY vol.1』では全曲の制作に関わり、TWICEの中で育ててきた個性を一つの作品世界へと広げている。
TZUYU(ツウィ)
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端正なビジュアルと、長い手足を生かした優雅なダンスで目を引く最年少メンバー。活動を重ねる中で歌声の安定感と表現力を着実に高め、現在では楽曲の重要なパートを担っている。ソロ作品『abouTZU』では、自信と大人びた魅力を前面に出し、グループとは異なる一面を見せた。
ソロ活動やMISAMOを通して、一人ひとりの個性はさらに鮮明になっている。それぞれの活動で見せる歌声やダンス、作品づくりへのこだわりは、9人で集まったときのTWICEにも新たな奥行きをもたらす。
グループの楽曲から個々の活動へ興味を広げる人もいれば、ソロ作品やMISAMOをきっかけにTWICEを知る人もいる。一人ひとりの成長がグループの表現を豊かにし、9人の活動がまたそれぞれの魅力を照らし出す。その双方向の広がりも、現在のTWICEならではの魅力である。
4. ライブの魅力|9人のダンスから観客との掛け合いまで
TWICEのライブで目を引くのは、9人という人数とフォーメーションを活かしたダンスだ。一列に並ぶ場面、中央と左右に分かれる場面、少人数ずつ前後に配置される場面など、歌うメンバーや曲の展開に合わせて立ち位置が変わる。メンバーごとにダンスの持ち味は異なるが、9人で踊る場面では動きのタイミングがそろい、楽曲の見せ場が明確に伝わる。ステージを広く使うため、ドームやスタジアムでも全体の動きを楽しみやすい。
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観客が声や動きで加わる場面も多い。「TT」や「What is Love?」のポイントダンスは誰でも真似しやすく、サビでは多くの観客が振り付けや掛け声を重ねる。メンバーも客席に声をかけたり、振りを促したりしながら曲を展開していく。9人のダンスをじっくり見る曲と、観客も一緒に盛り上がる曲があり、初めてライブを観る人にも楽しみ方がわかりやすい。
曲間のMCやアンコールでは、メンバー同士の会話や客席への呼びかけも増える。客席の反応を見ながら話を続けたり、メンバー同士で言葉を補い合ったりする姿からは、歌やダンスとは異なる9人の親しみやすさが伝わってくる。大規模な会場でも、メンバーと観客が直接やり取りする時間を大切にしていることが、TWICEのライブを身近に感じられる理由の一つだ。
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日本では2019年にドームツアーを開催し、2022年には東京ドームで3日間連続公演を実施。2023年には味の素スタジアムとヤンマースタジアム長居、2024年には日産スタジアムで公演を行った。北米でもSoFiスタジアムとMetLifeスタジアムに立ち、2025年には世界最大級の大規模音楽フェスティバル・Lollapalooza Chicagoで、アジア発のガールズグループとして初めてヘッドライナーを務めた。活動する地域や会場の規模が広がる中でも、9人のフォーメーションと観客との掛け合いは、ライブの中心に置かれている。
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6度目のワールドツアー「THIS IS FOR」では、客席を360度開放し、ステージの正面を固定しない構成を採用した。メンバーは曲中に立ち位置や向きを変えながら、各方向の客席に向けてパフォーマンスする。どこか一方向だけを正面にするのではなく、会場全体から楽しめるように振り付けや動線が組み立てられており、9人の連携がよりわかりやすく見えるステージとなった。
同ツアーの日本公演では、2025年に4大ドーム8公演で40万人を動員。2026年4月には海外アーティストとして初めてMUFG STADIUM(国立競技場)で単独公演を行い、3日間で24万人を動員した。
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ベストアルバムと同日の2026年8月26日に発売されるライブDVD/Blu-rayには、2025年9月17日の東京ドーム公演を収録。「FANCY」「What is Love?」「Feel Special」などの代表曲に加え、メンバー9人それぞれのソロステージも収められている。9人で見せるフォーメーション、一人ひとりの表現、観客との掛け合いまで、現在のTWICEのライブをまとめて知ることができる作品だ。
5. ONCEと育てた10年|楽曲に刻まれた、メンバーとファンの絆
TWICEのファンは「ONCE」と呼ばれる。その名前には、「一度でも愛してくれた人に、二倍の愛で応える」という意味が込められている。ファンへの感謝は、活動初期から10周年を迎えた現在まで、さまざまな楽曲で言葉にされてきた。
初期を代表するのが、2016年のミニアルバム『TWICEcoaster : LANE 1』に収録された「ONE IN A MILLION」だ。グループの挨拶にも使われている言葉を題名に掲げ、聴く人一人ひとりが特別な存在であることを伝えている。コンサートの終盤やアンコールでも歌われ、TWICEとONCEを結ぶ楽曲として親しまれてきた。
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日本では、2018年の1stアルバム『BDZ』に「Be as ONE」を収録した。ONCEへ伝えたい思いを歌ったバラードで、日本での活動を支えるファンへ感謝を届けた楽曲である。ヒット曲とは異なる穏やかな曲調の中で、ファンとの関係を正面から扱ったことにも、当時のTWICEの成長が表れている。
2019年の「21:29」では、9人全員が初めて共同で作詞し、ONCEから寄せられた手紙への返事を歌にした。同じミニアルバムに収録された「Feel Special」は、メンバー自身の経験をもとに、誰かの言葉や存在によって自信を取り戻していく過程を描いている。ファンへ直接感謝を伝える「21:29」と、支えてくれる存在の大切さを歌う「Feel Special」が並ぶことで、当時の9人を取り巻く関係が異なる角度から表現された。
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2021年には、デビュー6周年の配信イベントで、英語曲「CANDY」を正式リリースに先駆けて披露した。ONCEへのプレゼントとして届けられた楽曲で、ファンを甘いキャンディーにたとえながら、その存在がもたらす喜びを歌っている。2022年には、日本デビュー5周年を記念した「Celebrate」を発表。9人全員が作詞に参加し、直接会う機会が限られていた時期にも応援を続けた日本のファンへ感謝を伝えた。
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2024年のミニアルバム『With YOU-th』では、メンバー同士の友情とONCEへの思いが作品全体のテーマになった。「I GOT YOU」は困難な状況でも互いを支える9人の関係を描き、「ONE SPARK」は、ともに過ごしてきた時間と変わらない情熱を歌っている。そして2025年、デビュー10周年記念アルバム『TEN: The Story Goes On』のタイトル曲「ME+YOU」では、TWICEとONCEの友情を改めて言葉にした。
ファンからの思いがメンバーへ伝わった場面もある。2019年のワールドツアー「TWICELIGHTS」では、ミナが健康上の理由から一部公演を休演。ロサンゼルス公演では、「After Moon」に合わせて観客が公式ペンライトをミナのメンバーカラーであるミントグリーンに点灯した。会場を埋めた光を前にメンバーも涙を見せ、ミナの復帰を待つ思いをファンと共有した。
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「ONE IN A MILLION」から「Be as ONE」「21:29」「CANDY」「Celebrate」を経て、「ME+YOU」へ。年代順にたどると、ファンへの感謝が継続的なテーマとしてTWICEのディスコグラフィーに組み込まれてきたことがわかる。楽曲の制作背景や発表された時期を知ることで、9人とONCEがそれぞれの節目にどのような思いを伝え合ってきたのかも、より具体的に見えてくる。
9人の声と個性で築いてきた、TWICEのポップス
TWICEの音楽の強みは、9人の異なる声を生かしながら、一曲の印象をはっきりと残せることにある。歌うメンバーが次々と入れ替わり、それぞれの声質や歌い方が変化をつくりながら、各パートが一つの印象的なサビへ向かう。この構成は、楽曲のジャンルが広がった現在まで受け継がれている。
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「TT」や「CHEER UP」では、短く印象的なフレーズを9人が歌い継ぎ、TWICEの明るいポップスを広く浸透させた。「FANCY」では自分から思いを告げる姿を描き、「Feel Special」では誰かの存在によって自信を取り戻す過程を歌った。「I CAN’T STOP ME」ではシンセウェーブを取り入れ、「The Feels」では全編英語詞とディスコポップを組み合わせた。「I GOT YOU」はメンバー同士の友情を、「ME+YOU」はTWICEとONCEの関係を主題にしている。
恋の高揚、自信を取り戻す過程、メンバー同士の友情、ファンへの感謝と、歌詞が扱う題材は10年の間に増えてきた。サウンドにもシンセウェーブやディスコ、R&Bなどが加わり、その時々の9人に合った歌い方やパフォーマンスが選ばれている。
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日本では、韓国で発表した代表曲の日本語バージョンと並行して、数多くのオリジナル楽曲を制作してきた。MISAMOやソロ作品では、少人数や個人の歌声とパフォーマンスに焦点が当たり、グループ曲とは異なる音楽的な強みが表れている。現在のTWICEは、9人での活動とユニット、ソロの活動を並行して楽しむことができる。
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TWICE BEST ALBUM『#BEST 2015-2025』は、Disc 1・2に2015年から2025年までのタイトル曲や英語オリジナル曲など27曲、Disc 3・4に『#TWICE』シリーズで発表されてきた日本語バージョン23曲を収録した、4CD・全50曲のベストアルバムである。
収録曲を年代順に聴くと、9人の歌声を生かす構成、時代ごとに変わるサウンド、歌詞に描かれてきた感情の広がりが見えてくる。よく知る曲も、その前後に発表された楽曲と続けて聴くことで、当時のTWICEがどのような音楽やメッセージを届けていたのかが、よりわかりやすくなる。長く聴いてきた人には10年を振り返る作品として、これから聴く人には9人の歩みを知るためのガイドとして楽しめる一作だ。
TWICE BEST ALBUM『#BEST 2015-2025』2026.08.26 Release
韓国デビュー10周年を記念したベストアルバム『TWICE BEST ALBUM「#BEST 2015-2025」』は、TWICEの10年間を4枚のCDに凝縮した作品だ。
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Disc 1には「Like OOH-AHH」「CHEER UP」「TT」「What is Love?」「FANCY」「Feel Special」など、2015年から2019年までの代表曲を収録。Disc 2では「MORE & MORE」「I CAN’T STOP ME」「Alcohol-Free」「The Feels」「I GOT YOU」「Strategy」「THIS IS FOR」「ME+YOU」など、2020年から2025年にかけて音楽性と活動の舞台を広げていった軌跡をたどる。
Disc 3とDisc 4には、ベストアルバム『#TWICE』シリーズを通して届けられてきた日本語バージョンを収録。韓国で生まれた楽曲が日本語でも歌い継がれ、日本のファンとの思い出を重ねてきた歴史まで含めて楽しめる全50曲となっている。
初回限定盤には、2017年の日本デビューショーケースから2024年のスタジアム公演までをたどる映像集「TWICE LIVE COLLECTION 2017-2024」も収録。日本で歩んできたステージの変化を、音源と映像の両面から確かめることができる。
同日には、2025年9月17日の東京ドーム公演を収めたLIVE DVD&Blu-ray『TWICE <THIS IS FOR> WORLD TOUR IN JAPAN』も発売される。360度ステージで披露されたヒット曲やアルバム曲、9人それぞれのソロステージまでを収録。ベストアルバムで10年間の楽曲をたどり、ライブ映像で現在のTWICEを体感することで、9人が世界中を魅了し続ける理由がより鮮明に見えてくるはずだ。
<TWICE 公式サイト・SNS>